群馬・香草温泉へ行こう!〜その1〜 の続き

群馬の秘湯、香草温泉を訪れました。
芳ヶ平へ向かう登山道から毒水沢の沢筋へ。
美しくも荒々しい沢を登り、チェックポイントの大滝へやって来ました。

さ〜て、香草温泉核心部へ、いざ出発だ!!

岩壁と木々に囲まれた、見事な景観が広がっておりました。
登山道に含まれていないこの滝は、ウェブ上では単に大滝と呼ばれている様です。
場所が場所ならば、立派な名称が付けられたに違いない。

滝の周囲にはチャツボミゴケ。


ここは滝壺まで近付ける為、非常に迫力があります。
落差はどのくらいだろう?
10〜15mくらいあるのかな?

香草温泉はこの滝の更に上流にあり、まずはこの大滝を超えなければなりません。
どうするかと言うと、、、

滝の右側の岩場に、ロープが掛けられているんですねぇ〜。
この岩場から登って行きます!

高さと斜度が結構ありますが、岩と木々に囲まれている為、それ程高所感はありません。

登りきると、狭い藪の道となってました。
左側にロープが張られておりますが、ロープのすぐ外側は崖になってます。
足を踏み外さない様、慎重に進みますよ!

まずは第一関門突破!
大滝上部のひらけた場所に出て、一旦呼吸を整えます。

しかし、先程書いた通り、ここからがいよいよ核心部となります。
岩登りを繰り返して温泉地へ向かいます!

この滝もロープを使って上部へ登ります。
ここは大したことありませんでした。

危うい足場を、ロープを使ってトラバースする箇所もあり。

おや!?
前方に変色している岩場があるぞ!?
そしてその脇からは湯気が出ている!!

岩伝いに湯気の出ている岩場に近づいていく。

おぉっ!
ついに温泉が出現したぞ!ヽ(・∀・)ノ

見てわかる通り、土嚢により湯がせき止められています。
ここも入れるのか?と思って恐る恐る手をつけてみましたが、、、

めっさ暑くて、とても入れない!!(;´Д`)

そしてこちら。
明らかに人工的に岩が積まれていて、湯船の様になってます。
こちらの方は、すぐ脇を流れる滝の水を足せば入れないことはないレベル。
ただし、湯船自体が小さく浅いので、足湯みたいな感じですねえ。。。

ということで、更に上部へ向かいます!
滝と湯船の間の岩場にもロープが掛けられています。

ひょえ〜、、、
こんなところ登るんかい??

そして厄介な事に、この辺りから岩肌がグッと滑り易くなって来ました。
前回のレポートでも書いた通り、私のボロ靴はグリップ性能がかなり低下しているんですよね。
なので、ここから先は本当に難儀しました。

なんてところなんだ!
ツルッといったら大怪我間違いなしだっ!!


結構な高所まで登って来たんだなぁ。。。
いやしかし、登るのは良いのだが、、、


ここ、降りられるのかよ!?


スゲえ、、、
美しくも険しい、ホントに凄い世界だ!!

沢装備の無い我々は、とにかく足場を選んで岩伝いに登って来ましたが、
ちゃんとした沢装備があれば、もっと楽に登ってこれたかもしれません。
この点も今後の参考にして行きたいと思います。

そして、我々は本日のハイライトとも呼べるポイントにやって来た!!
先頭のタマチャリンさんの居る場所だが、この上部を拡大すると、、、

お分り頂けるだろうか?
水平に掛かったロープの他に、垂直にロープが垂れ下がっているのが見える。
水平ロープは岩場の両サイドの木に括り付けられている様なのだが、
垂直ロープの方は、なんと水平ロープに結ばれているのだ!!
その為、垂直ロープの方はたゆんたゆんの状態な訳です。
全く頼りないじゃん。。。

厄介なのはそれだけじゃない。
この岩場のトラバースが更にヤバかった!

足場が片足を載せるギリギリの幅しか無く、更に、苔や草に覆われていて、とにかくツルッツル!!
ここは難易度が非常に高かった!ヽ(;´Д`)ノ

タマチャリンさんに続き、ナノレカワさんが挑む!
この、垂直から水平への体重移動の切り替えがとにかくキツイ!!

振り返って足元を確認するナノレカワさん。
見てるこっちがヒヤヒヤものです。。。

そして私もレッツ・チャレンジ!!
たゆんたゆんなロープと、ツルツルの岩場。。。
なんて凶悪なルートなんだ!

上部からナノレカワさんに撮影してもらったところ。
ドキドキの瞬間です。。。

そして水平移動へ。
見て分かる通り、幅わずか数cmの足場には、苔がビッシリだ!

緊張感MAXで渡る!!!

渡り終えた目の前には白根山の稜線!

振り返ると絶景!!

ふと岩場を見てみると、という数字が書かれておりました。
温泉の番号という話しも聞いたのですが、この4番以外は見当たらず。。。
実際はどういった意味の数字なのでしょう?


むむっ!!

パイプだ!!
こんな所にパイプが設置されているじゃないか!!?

が、良く見るとボロボロに割れている様です。
これは、昔はここから源泉を引いていた、ということなのでしょうか??

気になったので、帰宅後にウェブで色々調べてみました。
すると、気になる記事があったので、一部を抜粋・引用させて頂こうと思います。

ベルツ氏は大変な健脚家で、白根火山にもたびたび登っています。このときの様子は日記に詳細に描かれており、当時の噴火の様子を知る貴重な資料になっています。また、香草温泉は登山の帰途にベルツ氏が発見したといわれ、これを知った馴染みの一井旅館の市川氏が、一時期別館を営業していたことがありますが、あまりに不便なため現在は廃棄され、野湯ファンのみが訪れる隠れ湯になっています。

引用元:立ち寄り温泉みしゅらん


写真のパイプが当時の一井旅館のものであるかは不明ですが、
何れかの業者がここで源泉を引こうとして頓挫した事は確かでしょうね。
まぁ、この険しい場所を公式の温泉地としてしまうのは、やはり色々無理があったのでしょうねぇ。




そして、ついに、、、



ついにやって来た!!






11:30。


香草温泉到着だ!!


あったぞ!
確かに湯船としての体を成している!!

毒水沢の奥深く、滝を乗り越えた先に香草温泉は存在した!!!

先人達の手により、土嚢や岩等で湯船の形成や温度調整がなされておりました。
特にこの中段に位置する湯船は、ベストとも言える快適な湯温でした。

さぁて、では入ってみますか!!

・・・ってところで、なんとビックリ!!
後続客が現れたではないか!!!?

まさか、こんな山奥の野湯で鉢合わせがあるなんて、全く思ってもいませんでしたね。
しかも、カップルさんじゃないですか!
あの岩場を女性が越えてくるなんて、2度ビックリ!

温泉に浸かり、ご満悦の私( ´ ▽ ` )

この香草温泉、日本一の強酸性の湯質らしいです。
なるほどね、湯で顔を洗ったら、目の辺りがヒリヒリしました(´・∀・`)

ナノレカワさん、タマチャリンさんも各々温泉を堪能しているご様子(・∀・)

白根山に向かってポーズを決める私!
かなりハイテンションになってますヽ(・∀・)ノ


見て下さいよ、この見事な景観を!!
こんな絶景温泉、そうそうお目にかかれるものじゃないと思う!
もし紅葉の時期に訪れていたら、相当見事な色合いとなっていたに違いない。

ひとしきり温泉を堪能した後、ここで食事としましょう!
カップラーメンの準備をするお二人さん。

私はおにぎりとサンドイッチで済ませました。

岩肌を流れる小さな流れ込みも、温泉成分が混ざっている様です。
手をつけると丁度良いお湯が流れてました。

ほら、こんな感じで足元の岩場も変色しています。

香草温泉の様子です( ´ ▽ ` )ノ

12:50。
たっぷりと温泉を堪能した後、下山する事にしました。
さらば、香草温泉!!

帰路でも、ここを通らねばならない。。。
恐怖のT字ロープ渡り!!

慎重に渡る私。
この垂直ロープの切り替えポイント辺りで、足を滑らせてしまい、危うく落ちかけました(;゚Д゚)

いや〜、かなり焦りましたねぇ。
高さはそれ程無いのですが、落ちたら大怪我は避けられないでしょう。
正直、2度とボロ靴で岩場に挑みたくは無いですね。
甘くみていたことを反省してます。。。

こいうのって、やはり登りよりも降りの方が恐怖心がありますね。
自分はまだまだ、慣れが浅いですわ。。。

14:10。
毒水沢の入り口まで戻って来ました。
ふぅ〜、ここで一息入れていきましょう。

それでは、登山口に向けて、ラストスパート!
再び木々に囲まれた単調な道を進んで行きます。

そしてココ!
往路で見かけたバリゲードの場所にやって来ました。
内部の様子が気になってしまったので、少しだけ見てみる事にしました。

しかし、ゲート内に入ってすぐ、激しい崩落地点に出ました。

なるほどね、、、
これでは通行は不可能だし、恐らく今後も復旧されることは無いと思われます。

15:20。
無事、駐車場に戻って参りました。
ただいま、CRF君!

売店でアップルマンゴソフトを食す。
めっさウマかった!ヽ(・∀・)ノ

休憩がてら、しばらく駄弁った後、解散となりました。
いや〜、もうホント楽しかったですね!
毒水沢の美しい渓相、ダイナミックな香草温泉の眺望。
どれをとっても素晴らしい体験でした。

色々と反省点もありましたが、それらをひっくるめて、最高に楽しめた1日でした。
また、香草温泉には、今回訪れた到達点の更に上流部に、三段の滝と呼ばれる場所もあるらしいです。
もし機会があれば、そちらの方にも挑んでみたいと思います。

それでは、また!ヽ(・∀・)ノ