日本最高峰の山、富士山。

登山を始めた者にとって、一度は訪れてみたい山ですよね!
自分もいつかは挑戦したいと思っておりました。

さて、余りの暑さで辟易していた7月某日。
ふと富士山の記事を眺めていると、この時期でも山頂は真冬並みの気温になると書かれておりました。
まさか、、、今年のこのクソ炎天下でも、山頂は真冬の気温になるってのか!?
もしそうなら、体感的にどんな差を感じる事になるのだろうか??

俄然、行ってみたいという気持ちが湧き上がって来ました!(・∀・)
善は急げと、早速行程を調べて準備を整えました。
幸いにして、ここ最近はジョギングの他、筋力トレーニングもしっかりと続けています。
今の自分を試すのに、富士山は絶好の場所かもしれません。

実行日は7月20日に設定。
この日は金曜ですが、私の居る業界では夏休みをバラバラにとる習慣があったりします。
うまく調整を付けて、1日分の夏休みを20日に持って来て金曜〜土曜を確保!
ここで土曜〜日曜としてしまうと、とんでもなく混み合ってしまうので、金曜出発にした次第です。

ルートは色々考察した結果、吉田ルートを選択。
初挑戦の為、体調がどう変化するのか、読み辛いというのが理由です。
救護所や山小屋の多い吉田ルートが、一番安心感があると思いました。
20日は本八合目のトモエ館に宿泊し、21日に山頂を目指す行程を設定!

準備が整った7月20日当日。
初挑戦の私に、富士山はどんな姿を見せてくれるのでしょうか!?
レポート行ってみよー!ヽ(・∀・)ノ

8:20。
富士急行河口湖駅に到着。気温は31度。
当日の富士山の天気予報では、晴れ時々曇りか霧。
空を見上げてみると、まずまずといったところでしょうか。

30リットルのザックの中には、防寒着をぎっしりと詰め込んで来ました。
めっさ暑い真夏日なのに、防寒着背負って出かけるって、、、
なんだよそりゃ??って感じですね(´・∀・`)

切符売り場で富士スバルラインの往復チケットを購入して、いざ富士五合目へ!

9:32。
スバルライン五合目に到着。気温24度。
格好は半袖で、快適な気温でした。
既に下界との気温差をかなり感じてます。

ここに来るのは2008年以来、10年振りですねぇ(´ー`)
平日の早朝にも関わらず、かなりの人出!!
さすがは日本一の山。人の多さも半端ないですねぇ。

さて、まずは標高を体に順応させる為、ここで1時間程ぶらぶらしていきます。
この慣らし行為を行わずに出発してしまうと、高山病のリスクが高くなってしまうそうです。

山頂方面を眺めてみる。
雲がかかってますが、富士の天気は変わり易いとの事。
好天の山頂が拝める事を期待したいですね。

ちなみに、この五合目と山頂との標高差は、約1400mとの事。
かなり登りごたえのある行程となります。

売店で販売している、ご存知金剛杖です。
ストックとして購入するものですが、自分は別途ストックを持って来ております。
記念に購入したかったものの、荷物になるのも嫌なので、パスしておきましょう。

富士山保全協力金の受付ブース。
もちろん、協力させて頂きます(´ー`)

協力金1000円を支払うともらえる記念品です。
富士山の間伐材で作られているそうです。
これをザックにぶら下げるのが通例の様で、自分も見える位置に付けておきました。
ぶら下げている登山者の数は、思っていたよりも多かったですね。

ちなみに、
富士の登山ルートは、パンフレット上で分かり易く色分けされております。
吉田ルートは黄色なのですが、このタグの紐もそれに合わせた色になってます。
これは、道迷いが起きた際に、スタッフさんがアドバイスし易い様になっているとの事です。

登る前にエネルギー補給!
売店で富士山焼を注文してみる。
まぁまぁ美味しいです(´ー`)

小御嶽神社にて安全祈願をしていきましょう!

出発前にアミノバイタルを飲んでおきます。
値段が高いので滅多に買いませんが、今回は保険として購入(`・ω・´)

売店脇にある馬の待機所です。
吉田ルートでは、馬に乗って七合目近く迄行く事も出来るそうです。
もちろん、自分は足で歩きますとも!( ´ ▽ ` )

10:35。
それでは、いよいよ登山開始といきますか!
売店奥から登山道入り口へ。

入り口に立てられた『やめよう弾丸登山』の警告板です。
この弾丸登山自粛の呼びかけは、山梨・静岡両県の行政が出しているものです。
無茶な行程を組まず、余裕を持った登山を心がけたいものですね( ´ ▽ ` )

まずはゆるい勾配を進みます。
重要なのは、サクサク歩かない事。
ゆっくりと、高度を馴染ませる様に歩くのがポイント!
ここで余裕ブッこいてハイペースで歩いてしまうと、
3000m付近でダウンするハメになってしまう様です。

おっ、いいですね〜(・∀・)
馬って高山病大丈夫なのかなぁ?

分岐に出ました。
左は吉田口五合目方面で、右は富士山頂方面となります。
吉田口とは、吉田口登山道と言って、何と一合目から登るルートなんですよね!
とても興味はあるのですが、初挑戦なのでスルーしておきます。
いつかは挑戦してみたいかな(´ー`)

一旦林間の道に入ります。

霧が立ち込めてますが、流れはとても早いです。
空模様は目まぐるしく変化していきました。

斜面にはオンタデの群生!
行程中、頻繁に目にしました。

シェルターをくぐります。

11:30。
六合目に到着。

安全指導センターがありました。
せっかくなので、富士の行程について、お話しを伺ってみました。
その話しの中で気になったポイントとして、

富士は活火山であること
七合目以降の岩場で落石事故の危険性がある(実際に事故が発生している)こと

等を聞きました。
火山と言えば、御嶽山の噴火が記憶に新しいですよね。
ここで、自分はヘルメットのレンタルを利用する事にしました。
この安全指導センターでは、2000円を支払うと、ヘルメットを貸し出してくれます。
そして下山後に同センターで返却する際、2000円を返金してくれます。
まぁ、つまりはタダですw

富士登山のガイドラインには、ヘルメット着用を推奨する記述があるんですよね。
ただ、おおよその人は所持していないとの事。
かく言う自分も、ヘルメットは所持しておりませんでした。
どうしようか迷いましたが、今回は安全策を取る事にしました。

こちらがレンタルのヘルメット。
安心のモンベル製ですヽ(・∀・)ノ

ヘルメットは以前より買ってみたかったのですが、今ひとつ手が出ませんでした。
今回被ってみて、その軽さと通気性にビックリ!
不要な時はザックにくくりつけておいても気にならない重さでした。
これはいいですね〜。
いずれ長野の赤岳に挑もうと思っているのですが、その際は購入してみようかな。

先程書いた吉田口登山道との合流道標がありました。

ではでは、七合目に向けて出発!!
これ以降は、ほぼ荒涼とした景色が続きます。

吉田ルートは登りと降りでルートが分かれております。
写真右が登りルート、左が降りのルートとなります。
この六合目で合流する形ですね。

地面は大小の岩石の塊や、砂礫に覆われております。
こんな感じの九十九折りがひたすら続く!
この辺りの勾配はきつくないのですが、とにかく長いです。

また、今回は久々にダブルストックを使用しました。
富士山はトラバース区間がほとんど無く、ひたすら登る事になります。
ストックの利用は、足の負担軽減に効果抜群です(・∀・)

山頂方面は霧の中。
まだまだ先は長いぞ!(`・ω・´)

12:40。
七合目に到着。
標高は2700mで、気温は20度。
吉田ルートで最初の山小屋となる花小屋があります。

ここでプロティンバーでエネルギー補給。

小屋の売店には各種飲み物と、エネルギー補給に必要な食べ物が揃ってます。

自分はいつもハイドレーションのウォーターバッグに2〜3リットルの水を入れていきますが、
今回は500mlのペットボトル2本を持って出かけました。
足りない分はその都度、小屋で買い足す感じです。
いつもの調子で数リットルの水を背負ってしまうと、後になって苦しくなりそうです。

この花小屋から先が吉田ルートの関門、火山礫の岩場の急登となります!
安全指導センターでレクチャー頂いた、落石の危険地帯って訳ですね。
ここで先程レンタルしたヘルメットを着用しました。
見回してみたところ、着用率は低いですが、チラホラと見かけました。

見下ろすと、既に六合目は霧の下。。。

もう少し楽なものかと思ってましたが、意外な程に急登でした。

鎌岩館です。
この辺りに来ると、各人に体調差が出始めている様です。
既にグッタリしてる人がチラホラと目につきました。
自分は今のところ大丈夫(`・ω・´)

更に急登は続く。
霧は濃いものの、雨でないだけマシですかね。
もちろん、レインウェアは持って来てます!(`・ω・´)

こちらはイワツメクサかな。
ただ登るだけじゃなく、こういった高山植物の観察も楽しみですね( ´ ▽ ` )

赤い鳥居が特徴の鳥居荘。
徐々に長袖率が高くなって来ました。
自分はまだ半袖の状態です。

七合目最後の小屋、東洋館。
吉田ルートの中では一番綺麗な建物でした。

これでもかっ!て程の岩登りが続きます。
およそ3000mを超えているので、さすがに足が重いです。
頭痛は無いのですが、結構息切れがします。

でも、行程そのものは、かなり楽しい(・∀・)

まるで鷲か鷹が翼を広げているかの様な雲が見えました。
この雲、自分の真横で見えてるんですよ!
迫力満点です!

霧が晴れて来た!ヽ(・∀・)ノ
青空が見えると、俄然テンションが上がる!

15:00。
八合目到着。
標高は3100mで、気温は19度。
自身、2度目の3000m越え達成!ヽ(・∀・)ノ
今のところ半袖でも大丈夫ですが、少し涼しい感じかなぁ。
防寒着を羽織っている人も見かけました。

また、この八合目付近では、体調の明暗が大分出て来る様です。
辛そうに項垂れてる人が少なくありませんでした。
酸素ボンベを吸引している人も多かったです。

山頂まで2km。
近い様で遠い。
もっとも、本日の目的地は本八合目です。

金剛杖に焼印を押す、山小屋太子館のスタッフさん。
富士の各山小屋では、焼印を押してくれます。
自分もこれが欲しくて杖を購入したかったんですよね。
ちょっと後悔してます。。。(´・∀・`)

本日最後の岩登り。

蓬莱館に到着。
さすがに厳しくなって来ました。
動悸が少しずつ激しくなって来てます。
こまめに小休止をとりながら登りますよ(・ω・)

蓬莱館を過ぎると、再び砂礫の九十九折りとなります。

広大な火山礫の山肌。
荒涼とした雰囲気が非常に素晴らしい!

白雲荘に到着。
富士の山小屋は前庭が狭い場所が多いのですが、白雲荘は広々していて開放的な感じです。

頭上には本日の目的地、本八合目の小屋が小さく見えました。

ポカリを購入。
500円ナリ。
富士山では全ての値段が高いです!

あっという間に霧の中!
本当に目まぐるしく変化します。

富士山天拝宮の鳥居と山小屋元祖室。
ふと感じたのですが、太子館を過ぎると次第に人が減って来ました。
ダウンしている人も多かったのですが、八合目で宿泊する登山者も多い様です。

この辺りは、数カ所で下山道との接続ポイントがありました。
吉田ルートは下山道側に小屋がほとんどありません。
登りルートと接続させて、下山道からも立ち寄れる形にしている様です。

後少し!!

しかし、、、足が重い!
目の前なのに遠く感じました(;´Д`)

16:38。
本八合目に到着だぁっ!!!ヽ(・∀・)ノ
標高3350m。気温16度ナリ!

本八合目の案内板。
3件の山小屋があります。

そして本日の宿地、本八合目トモエ館に到着。
早速チェックイン手続きを済ませて中へ。

ロビーと食事スペースです。
決して広くない敷地ですが、うまくスペースを確保している印象(・∀・)

寝床は2階へ案内されました。

一人分のスペースは寝袋1つ分の横幅しかありません。
寝返りうつのも難しそうです。
まぁ、予めそれを承知で来たので構いませんが(´・∀・`)

ちなみに、七合目トモエ館の方には個室もあります。
気になる方はそちらを利用するのも良いかと思います。

でもって、さすがに半袖では寒いです!
荷物を置いてすぐ、防寒用の上着を着込みました。


空と雲以外、何も無い空間!ヽ(゚∀゚)ノ

これだよ、これが見たかったんだよ!

高山病に酸素あります

実はこの時、高山病の症状が出ておりまして、軽い頭痛が起きてました。
ただ、耐えられないとか、酸素ボンベが必要な状態では無かったです。
なので、とりあえずスルーしちゃいました(´・∀・`)
買っておいても良かったんですけどねぇ。。。

これより浅間大社境内』と記された碑が立っておりました。

そうなんです、富士の八合目より上は、浅間大社奥宮の境内になるんですよね!
この浅間大社は全国にある浅間神社の総本社なのです!

神社好きな事もあって、富士信仰の中心地である、この場所に来てみたかったんですよ!
本八合目トモエ館を選択したのも、この碑があるのを知ってたからなんです。
興味無い人からすればどうでもいい事だと思いますが、自分はグッときちゃいますねぇ(´ー`)

この場所から山頂方面を眺めてみる。
もう山頂が見えているのだ!ヽ(・∀・)ノ

いや〜、たまんないねぇ。
この景色の元で一晩明かすってのは、最高のシチュエーションですよ(*´ω`*)

トモエ館の夕食は、到着した際に配られる番号札の順番に呼ばれます。
一定の人数毎に食堂に集まって食事を行う様です。

メニューはハンバーグカレー。
お味の方ですが、、、
まぁ、なんというか、THE・ハンバーグカレーといった感じ。
自分で作った方がはるかに美味いです(´・∀・`)

いや、そりゃそうでしょうね。
こんな水も資材も乏しい場所で、民宿みたいな料理が提供出来るはずもない訳で。
これで十分ですよ。
美味しゅうございました(´ー`)

ちなみに余談ですが、
自分がこれまで一番美味いと感じた山小屋飯は、瑞牆山の富士見平小屋の晩飯です。
あのソーセージはガチで美味かった(あくまで個人的な意見)。

食後にぶらぶらしていると、次第に夕暮れ時となって来ました。
富士の稜線のシルエットと、朱に染まる雲海。

3000mの上空から眺める夕焼け。
ここまで登って来た者が味わえる、極上のひとときです(*´ω`*)

本当に、来て良かった!
心からそう思える光景でした。




だがしかし、、、




そんな最高の気分は、、、






この後、最悪の気分へと変わっていくのだった。。。





19:20。
富士の上空にうっすらと浮かぶ月を眺める。
そろそろ寝た方が良い時間です。
ご来光を眺めるには、早起きをしなければならない。
狭い寝床に横たわると、疲れもあってか、間もなく眠ってくれました。




ふいに目が覚める。
と同時に、湧き上がってくる頭の痛みに思わず悶絶した!!!
いや、痛みだけじゃない、、、
なんだ!
なんなんだこの暑苦しさは!!!?
まるでサウナで寝ているかの様な暑さと、そして息苦しさ!!(;´Д`)

寝る前の気温が約12度程しかなかったので、厚着をして寝袋にくるまったのですが、
この時、余りの息苦しさに耐えかね、一気に半袖シャツ一枚になった。
それでもまだ暑い!

そう言えば、事前に調べた情報で見た事があるのを思い出しました。
寝ている状態では、起きている時よりも呼吸が少なくなる。
その為、標高の高い場所では、より高山病にかかり易いのだとか。。。

自分の状態がまさにソレなのか!?
この体が感じてる熱や息苦しさも、高山病の症状って訳か!!!

今まで生きていて、感じた事が無い様な痛みと息苦しさ。。。
隣にいる奴らは、平然と寝ていやがる!!
俺だけが苦しんでるのかチクショー!!
って感じで、思わず悪態をつきたくなる様な不快な気分(´・ω・`)
吹き出した汗をタオルで拭いながら思ったのが、、、

今すぐ荷物をまとめて帰りたい

という感情でした。
とてもじゃないけど続けていられない!
自分には富士登山は合ってなかったんだ!
うずくまりながら、そんなネガティブな事ばかりを考えてました。

ネタに見えるかもしれませんが、ホントにそんなこと思ってましたw
マジでやってらんない気分でしたわwww


どれくらいの時間、そうしていたのかは分かりません。
苦しいながらも、少し落ち着いて考えてみました。
とにかく、寝よう!
そして朝の状況次第で、もし回復していない様であれば、素直に下山しよう。

時計を見ると、午前0時でした。
な、長い、、、朝までなげえよ(;´Д`)
本来の予定では、2時前には起きて山頂へ向かい、ご来光を見るつもりでした。
しかし、この状態ではそれは無理なので中止です。
日の出ぎりぎりまで寝て、ご来光は小屋の前で見る事にしました。
山頂に行けるか否かはさておき、せめてご来光だけでも拝んでいこう。

そう心に決めて、再び寝床に横になりました。
それ以降、眠っているのか起きているのか、良く分からない時間が続きました。

そして、富士八合目の夜は更けてゆく。。。


次回、『富士登山〜その2〜』へ続く!