富士登山〜その1〜 の続き

7月20日。
富士初登頂を目指してスバルライン五合目を出発しました。
しかし、本八合目のトモエ館に宿泊したその夜に体調が急変!
頭痛と息苦しさに襲われ、まともに寝ていられない状態となってしまいました。
このままの状態が続く様なら、明日は登頂せずに下山しようと決め、
とにかく気を落ち着かせて横になりました。

そして迎えた21日。。。
果たしてその結末は如何に・・・!?

2:40。
何となく目を覚ましました。
恐らく、合計2〜3時間くらいは眠ってくれたかな。。。

上体を起こしてみる。
暑苦しさは無いものの、相変わらず頭痛がします。
息苦しさは、、、幾分治ってくれているかも?

ふと横を見てみると、折りたたまれた寝袋達。
隣で寝ていた人達は、既に出発している様です。
しばらく横になったまま、どうしようか考えていました。

とりあえず、ご来光を見てから決めよう。
日の出迄はまだ早いけど、眠気は全く無い。
仕方がない。起きるとしようか。

本当は横になっていた方が体には良いのかもしれませんが、
それよりも新鮮な外の空気を吸いたくてたまらん!

3:30。
外に出てみると、眼下には暗闇の中に煌めく街明かりが見えました。
4時前だと言うのに、地平線の向こうは既に薄明かりが見えていました。
さすが、日本で最も早い日の出が見れる場所ですね(´ー`)

小屋の前にて待機中の面々。
彼らの格好を見ればお分かり頂けるだろう。
この時の気温は何と8度!!
真夏とは到底思えない強烈な寒さです(;´Д`)
自分もザックに詰め込んで来た防寒着を重ね着しました。

うーむ、八合目でこれじゃぁ、山頂の寒さは相当に厳しいでしょうね。
ある意味、この時間に行かなくて正解だったかも(´・∀・`)

暖かい豚汁を食べながら夜明けを待つ。

山頂方面を眺めてみる。
山小屋の明かりと、登山者達のヘッドランプが山頂まで続いている!
トモエ館のスタッフさん曰く、今日は少ない方だとか。
多い時は、いわゆる有名な光の帯が見れるのだろう。

4時になると、地平線が大分明るくなって来ました。

眼下の街の明かりは富士吉田市です。
その左上の雲海の下は、河口湖の辺りでしょうか。

こちらは山中湖です。
ウェブ上の山中湖の写真と言うと、ほとんど富士をバックにしたものばかりです。
こういったアングルで見るのは、なんだか新鮮な気分ですね。

4:30。
山頂は既にはっきりと見えています。

絶景を前に、トモエ館名物のあんぱんを食す(´ー`)

いよいよ日の出の時刻が近づいて参りました!

ズームで撮影。
言葉にならない程に美しい・・・(*´Д`*)


おはようございまーす!ヽ(゚∀゚)ノ

3300mからの、極上のご来光頂きました!!

朱に染まる山肌。

雲一つ無い山頂方面。
もうホレボレする様な光景(*´ω`*)

本八合目・夜明けの様子です( ´ ▽ ` )ノ

小屋の前で朝日を迎える面々。
ところで、この本八合目と山頂では、見えるご来光の様子は変わりがないとの事です。

正直思いましたが、極寒の山頂で人混みに紛れて日の出を待つよりも、
人の少ない八合目辺りの小屋の前でのんびり日の出を待った方が、断然良いのではと感じました。
そもそも山頂じゃぁ、人の頭が邪魔になって、余り良い写真は撮れないのではないかと(´・∀・`)

しかし、、、
本当に素晴らしい光景が見れました。
これまで何度かご来光を見て来ましたが、やはり富士山は別格ですねぇ。


さて、これからどうするか、ですが。。。
やはり頭痛は残っているものの、かなり落ち着いて来ました。
行動に支障が出る様な状態ではありません。

と言う事で、深夜出発という時間帯は変更されたものの、
予定通り山頂方面へ向かおうと思います!ヽ(・∀・)ノ

支度を整え、昨日同様にアミノバイタルを飲んで行きます。
でもって朝食ですが、宿泊予約をした際、朝食も同時に予約しました。
トモエ館の朝食は弁当形式になっており、そのまま山頂まで持って行く事も出来ます。
ただ、荷物になるのが嫌なので、自分は持って行くのをやめました。
どうするかと言うと、この本八合目は下山道側と繋がっているんですよね。
なので、山頂から下山する際、トモエ館に立ち寄って朝食をとる形にしました。

本八合目から見下ろしてみる。
昨日よりは大分綺麗に見えますが、時間が経てばまた霧の中に隠れてしまうのでしょう。

5:10。
山頂へ向けて出発!ヽ(・∀・)ノ

砂礫の九十九折りを登ります。
昨日と同様に、スタスタ歩かず、じっくりと進行します。

吉田ルートで最後の山小屋、御来光館に到着。
ここは3450mとなります。

左方面の山肌に目をやると、下山道が見えました。
写真でお分かり頂けるだろうか?
かなりの砂塵が上がっているのが見えます。
これが下山道の難点なんですよね。。。
これについては後ほど書くとしましょう。

登山道の地面はこんな感じ。
見た目以上に歩きにくいです。

5:58。
九合目到着。
標高は3600m。気温は19度です。
山頂でも、一旦陽が昇ってしまえば、寒さは大分和らいでくる様です。

九合目には山小屋は無く、迎久須志神社の建物があるだけです。

建物のすぐ上には平場があり、休憩出来る様になっていたのですが、、、
ここは、若干カオスな光景でした。

なんかもう、死体置き場かよってくらい、沢山の人達が地面に寝転んでました(;´Д`)
ウェブの情報では、九合目辺りからが本当にきつくなる、と書かれていました。
そしてそれらを裏付ける様に、朝っぱらから色々目につきました。

まるで夢遊病の様にフラフラとおぼつかない足取りの人、
ストックに寄りかかって、立ったまま眠っている人
登山道のそこかしこでうずくまっている人達、、、

これまで登山をやって来た中で、こんな光景は初めて見ましたねぇ。
いかに九合目付近がきついのかが伺い知れました。
また、かなりの人達が酸素ボンベを吸引してました。
自分も若干頭痛が強く感じられる様になって来ましたが、まだ大丈夫!
と言いたいところですが、動悸が結構激しいです(;´Д`)
20分程、九合目で休んで行きました。

さぁさぁ、それじゃあ行きますよぉ!
あと一息です!

振り向けば見事な雲海!

そしてまた岩場だ!
キッツイですっ!!

山頂の鳥居が見えて来たぞ!!
ここは道幅が狭く、いわゆる有名な渋滞区間ですね!

山頂直下の鳥居で記念撮影の順番待ち。
一礼して通過します!

そして、、、

ついにやって来たぞ!!


行くぞぉ、せぇーの、、、

6:58。

富士山山頂、到着!!
標高3710m!
気温20度!

富士山初登頂、無事達成したぞぉ!

日の丸をバックに、記念撮影!( ´ ▽ ` )ノ

山頂からの大展望っ!

絶景イタダキだ!ヽ(゚∀゚)ノ

吉田ルートの到着点は便利なもので、すぐに売店があります。
お土産やさんの他、エネルギー補給もしっかりとれます!

ちなみに、五合目以降のトイレは全て有料ですので、小銭の用意をしておきましょう!
料金は概ね100〜300円です。

でもって、現在の体調はどうかと言うと、まぁまぁ悪くない。
頭痛の状態ですが、本八合目に比べるときつくなってます。
息も結構荒くなって来てます。

なるほどねぇ、気圧が低くなると、こういう変化が出てくるのねぇ。
とても興味深い体験が出来ました。
非常に楽しいです(´ー`)
(まぁ、昨夜は地獄でしたがw)

疲れはあっても、体力・気力はまだまだ残ってます。
という事で、小休止後の7:10。
お鉢巡りにいざ出発!ヽ(・∀・)ノ

お鉢巡りは、山頂の周囲を約90分程のコースタイムでまわります。
一見すると大した事なさそうに思われるかもしれませんが、
自分みたいに初経験で挑むと、結構なキツさを感じます。

お鉢巡りが富士登山のオプションコースと言われている所以は、ここにあると思います。
九合目付近で一気に体力を削られてしまうので、お鉢巡りを断念する人は少なく無いそうです。
また、天候の変化も大きく、特に午後になると一気に不安定になるそうです。
無理はせずに、余裕のある状態で挑みましょう!( ´ ▽ ` )

噴火口です。
非常に迫力があります!
その向こうに見えているのが、富士山の最高峰、剣ヶ峰です。

地面の状態は大小の火山礫や細かい砂礫に覆われています。
これまでの行程から比べると楽に歩けます。

まさに天空の回廊!!ヽ(゚∀゚)ノ

なんて凄い景色の道なんだ!!

見事な雲海!
これが3700mの世界なのか!

おっ!
眼下に見えるのは宝永山かな!
宝永山も標高は2693mあるんですよね。
ここから見ると、大分低く感じてしまいますね(´ー`)

外周に伸びる登山道。
少し歩くだけでも息が荒くなってきます。
足も重く感じて、なかなか進みません。

御殿場ルートの到着点です。
写真左にある建物は銀明館でしょうか?
現在は休業中の様です。

手作り感のある鳥居を通ります。

頂上富士館です。
ベンチもあり、大勢が休憩しておりました。

建物の脇には富士宮ルートの到着点があります。

そして浅間大社奥宮だ!(・∀・)
苦労した者のみが到達出来る、日本で最も高い場所にある神社です!

ここで御朱印も貰えるのですが、普段集めていないのでスルーしてしまいました。
今思えば、貰っておくべきだったかと後悔してます(´・ω・`)

こちらが有名な山頂郵便局!
よっぽど書いて出そうかと思っていたのですが、混み合っていたのでやめてしまった。。。

郵便局で登山証明書を貰って来ました。
初登頂であるならば、これは必須アイテムでしょう!

ここでエネルギー補給。
袋がパンパンに膨らんじゃってますね(・∀・)

いよいよ、剣ヶ峰に近づいて来ましたよ!

そしてこれがお鉢巡り最大の難所、馬の背だ!!

急勾配に加えて、砂礫に覆われている極悪路!!
ただでさえ足が重いってのに、滑りまくってなかなか登る事が出来ませんヽ(;´Д`)ノ
ここを登りきるのに結構時間がかかってしまいました。

登りきったところから振り返って見る。
ここ、登るよりも下る方が大変だと思います。
何人も転倒してました。
いっそのこと、尻餅ついたまま滑り降りた方が楽かもしれません(´・∀・`)

馬の背を登りきると、気象観測所へ続く階段を登ります。
この先には山頂の記念碑がある為、撮影待ちの行列が出来ておりました。
自分も列に並びます。

9:10。
剣ヶ峰山頂に到着!
標高は3776mナリ。


日本最高地点に立つ!ヽ(゚∀゚)ノ


いやはや、それにしてもクッソ長い待ち時間だったわ!
特に、空気読まない大陸のお客さん多過ぎ!
もう少し周りを見て、スマートに写真撮ってくれよと、、、
こういうの、お国柄なんでしょうかねぇ?

もちろん、私も記念撮影!
最高の気分です!( ´ ▽ ` )

剣ヶ峰から火口を見下ろす。
なんと、この時期でも雪が残っている!!

混み合う観測所前を降り、山頂直下の平場で小休止。
吉田ルートだと、ここで丁度半分となります。

再び周回ルートへ。
それにしても、登りに比べると、周回ルートは大分静かです。
富士山に登る人で、何割くらいがお鉢巡りをやるのでしょうね?

大分雲が上がって来ました。
お鉢巡りは朝早く実行するのが良さそうですね。

前方に見えるのは白山岳かな。
富士の山頂には、合計8つの峰がある様です。
白山岳は標高3756mで、最高峰が剣ヶ峰となります。

ホント、壮観な眺めの道ですねぇ。
何度も写真では見た事がありましたが、
いざこうして目にすると、その景観に圧倒されてしまいます。

9:50。
吉田ルート到達点に戻って来ました。
もう雲だらけで何も見えません(´・ω・`)

今回の私のお鉢巡りのケースでは、休憩や剣ヶ峰の行列待ちを含めて2時間40分くらいかな。
富士登山をフルセットで楽しもうとした場合、かなり余裕を持った方が良さそうですね。

休憩してたらとまって来た虫さん。
あなたはどちら様?(´ー`)

さてさて、名残惜しい気もしますが、余りのんびりしているとまたガスってきてしまいます。

10:10。
下山開始しましょう!
吉田ルートの下山道は、前述した通り登りルートとは別に設けられております。
こうすることで、すれ違いによる混雑を避けられる訳ですね。

そしてこの下り道。
こいつは登りよりも厄介なんじゃないだろうか?
そう、3700mから六合目の合流地点まで、ひたすら降るのだ!!
しかもこの道、石や砂礫にビッシリと覆われていて、強烈に歩きにくい!!!
ウェブの情報によっては、降るだけなので楽ですとか書いてる記事もありますが、
その文面を真に受けない方が良いです。

絶対に楽なんかじゃありません!!

下手すりゃ膝がぶっ壊れるんじゃないかって程に、きっつーい行程です!!

この写真の様に、ここはブルドーザーが通ります。
通称ブルドーザー道と呼ばれている様です。
おかげで道幅は広いし、転落の危険等もありません。

下を眺めて見る。
晴れていれば相当素晴らしい眺めなのでしょうが、残念ながら既にガスってました。

そして前述した通り、下山ルートの難点がコレ!
前方を行く登山者が巻き上げる砂塵です!

これがとにかく酷くてねぇ。。。
場合によっては砂嵐かよ!?ってくらいに目の前が砂埃だらけになります!

そこでコイツの登場です。
100円ショップで購入したゴーグル!
これとマスクを着けて降ります!(`・ω・´)
ちょっと嫌なんですが、正直これがないとかなり厳しいです。
実際のところ、吉田ルートを下山するほとんどの人が、マスクやスカーフ等で鼻を覆ってました。
ゴーグルやサングラスを着けている人もかなり多かったですね。

10:50。
本八合目に到着。
ここから一旦、トモエ館に戻ります。

シャケと混ぜご飯のお弁当を食べて行きます。
ここから先がめっさ長いので、しっかりとエネルギー補給して行きましょう!

11:30。
たっぷりと休憩した後、再び下山道へ。
降りの砂礫地獄に突入だ!(´・ω・`)

八合目分岐に来ました。

ここで吉田ルートと須走ルートに分かれます。
下山道で一番注意が必要な場所で、ここを間違えると泣く事になります。
実際、ここで道間違いを起こす人は結構いらっしゃる様です。
特に濃霧の際は見落とし易いとの事。

その為もあってか、スタッフさんが分岐点に立っていらっしゃいました。
1日目のレポートで出て来た、例のタグの色を見たりしている様です。
須走ルートは赤で、協力金でもらえるバッジの色も赤となってます。
めんどくさがらずに着けておきましょう!

分岐点の八合目江戸屋の前を通って、吉田ルートへ向かいます。

いや〜、ホントにしんどいっす!
ストックが無かったら、マジで膝が死んでたと思う(;´Д`)

「俺は降りが得意なんだよね」って人が居ますよね。
そういう人って多分、降り方が上手なんでしょうね。
自分は下手なんだと思います。

斜面にはオンタデの群生。
こういうのを眺めつつ、ゆっくりと下って行きます。

緊急避難所がありました。
これが使用される状況にならない事を、願いたいものです。

13:20。
七合目の公衆トイレに到着!

ここには売店等は無く、トイレのみの施設となります。
八合目以降、まともな休憩ポイントが無い為、ここで大勢が休憩しておりました。

いや、死んだわ。マジで死んだわ。。。
これ程までに下山がキツいとは、想像出来ませんでした。
自分が今まで登った山とは、比較にならんキツさでした。。。
富士山が厳しいのか、それとも自分の体力が無いだけなのか?

ここで約30分ほど休憩を入れました。

シェルターが見えて来た!!
ここ迄来れば、ゴールは近いぞ!(・∀・)

やがて林間の道へ。
ふうぅ〜〜〜〜〜〜

この時の安堵感と言ったら、、、、

もうね、天国かよって感じでしたw

14:25。
登りルートとの分岐点に到着!
な・・・長かった(;´Д`)
めっさ長かった。。。

14:35。
六合目に到着。
ここでヘルメットを返却し、無事に2000円が戻って来ました(´ー`)

濃い霧の中、五合目へ向けてラストスパート!

15:18。
スバルライン五合目に到着!

富士登山、無事にコンプリートしたぞぉ!

この日は土曜日です。
さすがの混みっぷり!

山頂方面を見上げてみる。

晴れ間が広がり、山頂までクッキリと見えました。
旅の終わりに相応しい光景ではないでしょうか( ´ ▽ ` )

最後にコーラを飲みながら、余韻に浸りました。

16時過ぎ頃、臨時便のバスに乗って河口湖駅へ。
電車に乗ると、1分も経たないうちに爆睡してしまいました。
乗り過ごしに気をつけながら、電車の中ではほとんど寝てたかな(´・∀・`)
所沢へ着いたのが20時過ぎでした。

今回ゲットした記念バッジです。
右の白地はトモエ館で購入したもので、左のものは山頂で購入しました。

この左のバッジ、写真では分かり難いですが、何と日付入りなんですよ!!
購入した際に、その場で刻印を打ってくれます!
これは嬉しいサービスですねぇ〜。

そんなこんなで、初の富士登山、無事終了でございます。
人生で初めて高山病を経験したし、猛烈に疲れました。
ですがその分、達成感が大きく、そして何よりも、非常に楽しかったです!
こうしてレポートを書いている現在も、また登りたい気持ちが湧いて来ております。
次は別のルートから挑んでみようかなぁ。

では、また〜( ´ ▽ ` )ノ